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イベント(CES2020特集)

従来製品の課題を解決した高性能ステレオカメラ「Intelligent Stereo Camera」

2020.06.01

Information
CES 2020
2020.01.05〜2020.01.10

2020年1月7~10日、ラスベガスで「CES 2020」が開催されました。CES(シーイーエス)は、160以上の国や地域から4500以上の企業が集まり、17万5000人以上が来場する世界最大規模の家電・技術見本市です。来場者のほとんどは業界関係者やメディア関係者となっており、その場で商談や取材が行われることも珍しくありません。

近年、日本企業の進出も目立つようになっており、今年は「CES2020 JAPAN TECH」として、9社が出展しました。その中から、ITD Lab株式会社(https://itdlab.com/)が高性能ステレオカメラを展示していたブースの様子をお伝えします。お話はITD Lab 株式会社 代表取締役社長 紫垣卓男氏に伺いました。

ITD Lab株式会社のブースではステレオカメラを展示

ITD Labは 独自のStereo Range Imager(SRIM)技術により、衝突事故のない安全な世界を実現するため、東京工業大学発ベンチャーとして2016年5月に設立されました。SRIMとは、ステレオカメラによる超高速3次元画像認識技術のことです。

ブースで展示されていたのは、Intelligent Stereo Cameraシリーズです。すでに販売中の「ISC-100XC」と「ISC-100VM」、そして今後新たに販売されるハイエンドモデルの「ISC-4K」と「ISC-30及び80M」というローエンドモデルです。

「ステレオカメラに内蔵しているFPGAの1チップで、距離計算をすべて行っており、バックエンドにコンピュータを必要としないのが特徴です。もう一つが、自動調整機能です。

ステレオカメラには2個のCMOSセンサーが入っていますが、この光軸が温度や湿度、振動などによって時間の経過とともに必ずずれます。通常はそのたびにキャリブレーションを行わなければならず、これがステレオカメラの普及を阻んでいた障害でした。この課題を解決するため、自動調整機能を開発、搭載しました」(紫垣氏)

ITD Lab株式会社 代表取締役社長 紫垣卓男氏

ブースではステレオカメラのデモが行われており、その場の映像がディスプレイに表示されていました。物体の輪郭がクリアに判別でき、反応も早いのです。立体物を認識するステレオカメラは、自動車の自動運転やスモールモビリティの安全システム、ピッキングロボットをはじめ、ある意味無限の用途があるそうです。

現在は、LIDARと呼ばれる、レーザーを使った距離計算デバイスが一般的に使われています。応答速度が遅かったり、反射率の高い物体でないとうまく計測できなかったり、高価だったりと、いろいろ不便な部分があるそうですが、その課題を同社のステレオカメラならすべて解決できる、と紫垣氏は言います。今後、LIDAR市場を獲得していけると考えているそうです。

カメラの映像がディスプレイに色分けして表示

「新製品のローエンドモデルは、既存の2D LIDARを駆逐すると思います。大きさはほぼ同じですが、我々は3Dなので輪郭がはっきり見えますし、スピードも圧倒的に早いです。4KのCMOSを使ったハイエンドモデルは、自動運転に使われている3D LIDARの対抗製品です。性能も我々の製品の方が高く、おそらく価格を下げるポテンシャルとしては2桁安いという夢のデバイスです」(紫垣氏)


新製品は今年、発売される予定だそうです。

CESには2018年に出展し、2019年は出さず、今年、またブースを出しました。CESに来たのは、もちろん世界に向かってビジネスを発信するためです。

「僕らが、気がつかなかったアプリケーションについての質問がたくさんありました。ある意味、セールスリードもたくさんもらえたので、これからが楽しみです。CESに来て良かったと考えています」(紫垣氏)

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