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イベント(STARTUPS SELECTION® TOKYO)

【第14回】3度の売却経験を持つ、33歳連続起業家。<前編>

2021.08.03

新進気鋭な若⼿スタートアップ起業家たちにスポットライトを当てる番組連動プロジェクト「STARTUPS SELECTION® TOKYO」。第14回目ゲストは、株式会社TRIVE GROUP 代表取締役の籔本 崇さん。33歳の若さで上場企業への売却含む3度の売却経験を持つ。今回は期待の連続起業家に働き方のスタンスや今後の展望などお話を伺った。

株式会社TRIVE GROUP 代表 籔本 崇さん

YAZAWA:本日のゲストは、株式会社TRIVE GROUPの代表 籔本 崇さんです。 籔本さんは23歳で起業されてから約10年で3度売却というすごい経歴をお持ちなんですが、今回は2回の放送に渡って仕事の価値観やサービス開発の秘訣などいろいろとお話を伺っていきたいと思います。
初めに、現在の事業内容について教えていただけますか?

籔本 崇(以下、籔本):今はTRIVE GROUPという会社で「mediable(メディアブル)」という動画クリエイター向けサブスク型クラウドファンディングなどのサービスをやっています。グループ会社3社で運営をしておりまして、2社目は株式会社ファストビートSHOPPLというセレクトショップSNSをリリース予定でして、インフルエンサーが簡単にオンラインセレクトショップをオープンできるサービスを今準備しています。誰でも簡単に自分のおすすめする商品をアプリ上でセレクトして、売れたらお小遣いまでもらえるサービスになっています。 3社目はモスティープレイスという会社で、主にメディア事業やマーケティング領域を中心としたDX支援を行っています。

YAZAWA:1社の事業部ではなく、グループ会社にしたのは何故だったんですか?

籔本:やっているサービスが異なるので、各社に社長がいてそれぞれのユーザーニーズを追及する方が良いサービスが作れると考えています。会社を分けることで独立性を高くして動きやすくしている感じですね。

YAZAWA:サービスは全て籔本さんが考えられたんですか?

籔本:ケースバイケースですね。僕が中心になって考えたサービスもありますし、僕が全く関わらずにサービス開発をしている会社もあります。

YAZAWA:別会社ではなく、グループ会社としてやっているのはどういった理由があるのでしょうか?

籔本:一緒に行った方がサービスの成長スピードが速いのと思ったのが1番の理由ですね。 グループだからこそできることもありますし、各社の社長も僕がやってきた経験に価値を感じてくれたので、社内起業という形で一緒に進めさせてもらいました。 どうしても管理の目は分散するのでこのやり方が正しいかはわからないですけど、何とか正解にしていこうと思っています。

楽しく働くための独自のルールとは

YAZAWA:籔本さんは各社の業務において、どういった関わり方をされているのでしょうか?

籔本:会社によって違いますね。僕はユーザーと向き合うのが好きなのでアプリのデザインまで入ってやっている会社もあれば、逆に開発は全て任せて営業支援的な動きを中心にしている会社もあります。もちろん各社の戦略部分は考えますが、もう一つ注力しているのは楽しく働くための仕掛け作りですね。

YAZAWA:具体的にはどんなことをやられているんですか?

籔本 :わかりやすい例だと、「ネガティブ3」というルールなんかがあります。皆さん仕事中に無意識的にネガティブな発言や行動をしていると思うんです。例えば、雨の日だったら「雨の日ってだるいよね」って言ったり、パソコンの調子が悪くて舌打ちしたり。 これは周りのテンションを下げるので当社ではNGにしていて、1日3回ネガティブ発言をするとチームメンバーに晩御飯を奢らないといけないっていうルールにして浸透を図ったりしてました。

YAZAWA:そのペナルティーはなかなか厳しいですね(笑)

籔本:今はやってないですが、チームメンバー5人でやると1日5千円くらいかかるので結構痛いんですよ。 皆でカウントして「ネガ1」とか「ネガッてる」とか言いながらやっています。ネガティブなことを言っても生産性って下がるだけなので、楽しくするにはどうするかを常に考えていますね。

YAZAWA:面白い取り組みですね!他にも何かやっている工夫があれば是非伺いたいです。

籔本:会議名にはこだわっていて、「定例会」や「マーケティングミーティング」といった会議はタイトルが面白くないので僕は出ません(笑)
例えば、数字を分析する会議だったら「マジカル頭脳パワー」、マーケティングの会議だったら「M1グランプリ」。これは実際にM1の音楽を流してから始めるんですよ。そんなふうにMTG毎の名前はもちろん、MTGの雰囲気やトンマナ、制作部の工夫などを必ずしてもらってます。少しでも面白くなったり皆のテンションが上がったりするような細かな工夫を取り入れていますね。

URUSHI:社長を筆頭に働くことを楽しむっていいですね。仕組み作りがめちゃくちゃお上手だと思います。

籔本:カッチリした会議だとアイディアも出てこないですし、やっぱり努力するより楽しい方が勝てると思っています。 起業も「息を止めて全力で目的地までたどり着くんだ」っていう感じじゃなくて、楽しんで旅をしている感覚。目的地に着くことが目的じゃなくて、「楽しんでいたらいつか着けるよね」みたいな感覚を大事にしていますね。

YAZAWA:籔本さんのその発想が浸透して、社員の皆さんも自然と仕事を楽しむスキルが身についていきそうですね。 ちなみに、1社目を創業した時からずっとそういうスタンスでやられていたんですか?

籔本:いや、1社目は完全に息を止めてやっていましたね。遅刻は1秒も許さないみたいな会社でバリバリやっていました。僕も本当に寝ずに働いていましたけど、これはもう2~3年が限界だなと途中で気がついて。長期で勝つにはこれじゃないなって思って、そこから働き方も戦略も長期目線に合うように変えていきました。

YAZAWA:なるほど。その時の起業経験があったからこそ、今の籔本さんのスタンスがあるんですね。

籔本:そうですね。1社目の時に一緒に働いていた方には変わりすぎてビックリされますね(笑)

サービス成功の秘訣は、ユーザーと話すこと

YAZAWA:これまでの成功の秘訣、どのようにサービスを伸ばしてきたかを教えていただけますか?

籔本:失敗もたくさんしていますけど、1つはユーザーをよく見ることですかね。 マーケットサイズによって収益は変わりますが、ユーザーのニーズさえしっかり解決していてそれが競合より優れていれば売上自体は立つはずなので、それが1番大事じゃないかな。

YAZAWA:結構地道な作業ですよね?

籔本:そうですね。でもユーザーと話すことでしか見えてこない部分がいっぱいあるので、当社もユーザーインタビューを相当数やっています。

YAZAWA:社長自らもインタビューをするんですか?

籔本:もちろんします。どういう課題があるか、普段どうやってSNSを使っているかなど、そういう話を深掘りしながらユーザーインサイトを取っていくみたいなところは大事にしていますね。基本的にインターネットサービスってリアルで行われている行動をオンライン上に抜き出したり、バーティカルに存在しないものをバーティカルに最適化したりすると当たる確率が高いんです。
今は終了しましたがチケットキャンプなんかはわかりやすい例の一つとして名前をあげたりしてましたね。ジャニーズのファンの方たちがチケットを入手するためにtwitter上で売買を行っているという行動に着目する。でもtwitterって別に取引サイトじゃないので最適化されていない。それを最適化して抜き出したのがチケットキャンプというサービスになる訳です。そんな感じで行動がどこで行われていて、それをどう抜き出したらサービスになるかはすごく見ていますね。

URUSHI:注目すべきは行動なんですね。結構ユーザーの声をそのまま聞くと、「この機能をつけて」など個別最適化になってしまうんですけど、その裏側にあるニーズの本質をちゃんと見るということですね。

籔本:その通りです。それの規模が大きければスケールするし、規模が小さくてもサービスとしては成り立つと思います。

URUSHI:とても参考になるお話です。
第一線で活躍されている経営者の方って何だかパッとサービスを作っている印象を持たれがちですが、地道な努力を重ねてサービスを作り込んでいるんだなと改めて感じました。

今後の展望と目指す経営者像

YAZAWA:これまで3度会社を売却されていますが、どのタイミングで生活が大きく変わりましたか?

籔本:難しい質問をしますね(笑)
毎回変わっているかもしれないですが、1番影響が大きかったのは1社目の売却だと思います。当時25歳だったんですけど、上京してまだ1年で友達もいなくて。 1社目はミクシィさんに買っていただいたんですけど、やっぱり「ミクシィに買ってもらう25歳」になったことで出会う人が一気に変わりました。コミュニティが広がってビジネスを学ぶ場がとても増えましたね。

YAZAWA:1社目の売却が1つの転機になったんですね。
ちなみに、3度の売却を経て、現在の仕事のモチベーションとはどういったところになりますか?

籔本:大きな目標で言ったら、グローバルで勝てるような会社を作りたいですね。グローバル視点で見ると僕がやっている分野ってまだまだ小さいのでそれが1番大きいですね。

YAZAWA:これまでの実績がありながら、更に高い目標を掲げられるのが凄いです。

籔本:でも初めからあったわけではなくて、やりながら見えてきた部分が大きいですね。1社目を売った時は思いのほか順調に売却できて25歳でお金が入ってきたので、調子に乗って人生楽勝くらいに思っていました(笑)
ちょっと調子に乗って遊びましたけど、すぐに全然ダメだなとわかって。後輩の起業家にも一瞬で追い抜かれたし、自分よりもっと頑張っていて凄い人がたくさんいるということに改めて深く気づかされましたね。それで「志をもっと高く持ってやらなきゃ」と考えが変わりました。

URUSHI:籔本さんの目指している経営者像があれば教えてください。

籔本:それぞれの色があるので、この人が目標みたいな感じでコピーするつもりはないですけど、サイバーエージェントの藤田さんは胆力のある経営をしていて憧れます。もともと広告代理店から始まってABEMAっていう全然違うビジネスをやっている。そういう大胆な勝負ができる経営者はやっぱりかっこいいなと思いますね。

URUSHI:今の事業は今後どういった方向性をお考えですか?

籔本:基本的にはやっぱりIPOをして長く繁栄するような会社にしたいと思っているので、一起業家から経営者に頑張ってなろうとしている段階です。 もちろん一発でグローバルでも勝負できるようなサービスを作れればいいんですけど、今後いろいろとトライしていきたいですね。

YAZAWA:お話の途中ですが、お別れの時間になってしまいました。
次回の籔本さんのお話もお楽しみに!【後半に続く】

「STARTUPS SELECTION® TOKYO」第14回目放送
YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UiRDmrJ5ES8&t=5s

ゲスト
■籔本 崇(やぶもと たかし)
株式会社TRIVE GROUP 代表取締役。
1988年生まれ。愛知高等学校、京都産業大学卒業。2012年、コンフィアンザ創業。街コンなど結婚支援事業を全国で展開する。2013年、25歳の時に同社を創設わずか11ヶ月でミクシィへ売却。海外放浪などを経て、2016年、キネカを創業。エンタメ・コミュニケーション系アプリの開発運営を行い、2020年に売却。その後、株式会社TRIVE GROUPを創業。

パーソナリティ
■YAZAWA(やざわ)
元・株式会社nene 代表取締役。2018年にネット秘書サービス「nene」を創業後、2020年に事業を売却。株式会社Wizが子会社化。代表取締役としてサービス拡大に従事したのち、自身の会社で新しい事業の立ち上げを行う。

■URUSHI(うるし)
株式会社OKPR 代表取締役。2016年に「OKPR」を創業後、2020年にM&Aにて株式会社VOYAGE GROUP(CARTA HOLDINGS)入りする。情報経営イノベーション専門職大学の客員教員や、東京都やEY新日本監査法人が主催するプログラムにおいてメンターも務める。課外活動として「サムライ広報会」も主宰中。

mediable(メディアブル)
https://mediable.jp/
動画クリエイター向けサブスク型クラウドファンディング。

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