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レポート

店舗事業者が今向き合うべき組織課題とテクノロジーでの解決策

2020.05.29

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Withコロナ/Afterコロナを見据える。
店舗事業者が今向き合うべき組織課題と、テクノロジーでの解決策
オンラインイベントレポート

シャンプーの練習の動画をきっかけにオンライン講習開始

2020年5月11日(月)、Zoomにて「Withコロナ/Afterコロナを見据える。店舗事業者が今向き合うべき組織課題と、テクノロジーでの解決策」と題するオンラインイベントが行われた。コロナ禍の今、店舗事業者はどう乗り切っているのか、Ash、NYNYなど全国300店舗以上の美容室を展開するアルテサロンホールディングスの大山高寛氏がどのような取り組みを行っているのかを語った。

モデレーターはアルテサロンホールディングスも導入するAIアシスタントPEP(ペップ)のサービスを提供している、ギブリー取締役の山川雄志氏。そして、Ashの各店舗で使用しているLINE WORKSに関してワークスモバイルジャパン執行役員の萩原雅裕氏からも解説があった。

そもそも、4月7日に出た緊急事態宣言では、美容室・理容室は自粛要請に入っていなかった。しかし、アルテサロンホールディングスの運営する店舗は4月8日から全国326店舗の中で順次休業していき、4月10日には240店舗も締めた形になった。これに関して大山氏は「営業が止まってしまうことで現場というより本社で混乱してしまった気がする」と語る。

また、4月入社予定だった新人美容師はたった数日しか店舗に立つことができず、技術を獲得できないまま休業となってしまった。ここで活躍したのがLINE WORKSである。

「4月12日に、ある新入社員の美容師から『ウィッグ(マネキン)を使って家でもシャンプーの練習をできていますよ』という内容の動画がLINE WORKSにアップされました。これを観た店長から「これはいける!」という雰囲気になり、そこからLINE WORKSでの講習会が始まりました。最初のシャンプー動画がきっかけとなり、LINE WORKSの掲示板に『動画で学ぼう』というスレッドが立ち、自宅で撮った動画をあげて更新していく形にしました。店長や技術のある人たちが積極的に動画を上げて、それが1000時間分再生されました。今までも動画での教育はしていたのですが、ここまで集中して動画共有がされたのははじめてで、いいきっかけになったと思っています」(大山氏)

技術面以外にも、美容師には座学が必要だという。毎日朝晩YouTubeライブで講座を上げてそれをLINE WORKSで告知する流れができたという。

ワークスモバイルジャパンの荻原氏も新型コロナウイルスの影響により、美容業界でまさかこのような使われ方をされえるとは思っていなかったという。そもそもLINE WORKSとは何なのだろうか。

「LINE WORKSはLINEと同じような使い勝手でスタンプやチャットがあり、それ以外に掲示板やカレンダーやフォルダなどが備わった仕事用のLINEです。おかげさまでサービスが始まってから10万社以上のお客様にご利用いただいています」(萩原氏)

今、このコロナ禍でサービスの問い合わせや申込みが増えている状況だという。

LINE WORKSを導入しておいて良かった

「LINE WORKSを導入しておいて良かった」と大山氏。そして今後の課題としては、入客制限をしている状況であり、今後感染者が減っていくとは言え、絶対にクラスターになるわけにはいかないので、衛生面において徹底していくとのこと。教育の部分では新しい形で継続していきたいと語る。現場からは「こういうのでも(動画での指導)大丈夫なんだ」という声が届いているという。

ここで、萩原氏から大山氏へ質問があった。

萩原氏:126店舗1500人以上のスタッフの方への連絡は掲示板の機能を使っていますか?

大山氏:1500人の社員全員に通知をするときは掲示板を使っています。店舗の代表者や店長クラスにはトークを使うほうが多いです。情報の幅で掲示板とトークを使いわけています。弊社がPEPを導入した一番の理由なのですが、ユーザーインターフェースが素晴らしく使いやすいんです。私は経験があるので使いこなせるんですが、これなら一般の方でも問題点がわかっているのであればフローを書いていけば自動の対応botをすぐに作れるようになるんじゃないかと思います。こちらとLINE WORKSを組み合わせれば基本的なことは自動で処理できるんじゃないかなと思います。なかなか見えないところですけど、たとえば10分かかる作業が一日に5件あったとしたら、一ヶ月、一年……となれば相当な時間を投資していることになるので、ここは企業にとって今やらないといけないことではないかと思いますのでオススメの機能です。

そしてイベントは終盤の質疑応答へ。

山川氏:「LINE WORKSのグループは店舗ごとに設定されているのでしょうか?」というご質問が来ています。

大山氏:ベースは店舗ごとにグループ分けしています。加えて入社年度という分け方もしています。これは美容師さん特有かもしれませんが、同年代の人たちが同じ教育を受けることが多いので、そういったグループも存在しています。

萩原氏:あとは店長さんだけのグループも作っていますよね。

大山氏:そうですね。あとは店舗の管理者のグループもあります。

山川氏:引き続き質問です。「美容師さんは個人のスマホにLINE WORKSを入れているのでしょうか? 個人スマホの場合に注意した点はありますか?」

大山氏:基本的に幹部以外は個人スマホに入れています。4月に書き直した契約書の中にそのような項目を付け加えました。

山川氏:LINE WORKSの導入前はどうやって情報発信をしていたのでしょうか?

大山氏:導入前は店長たちは通常のLINEで連絡が取れる状態でした。イチ美容師さんたちは繋がっていたり繋がっていなかったり。あとは基本的にお店に電話をしていました。

山川氏:そこは導入して変わったところですよね。先程LINE WORKSにはいろんな機能があるからいろんな使い方ができるよねという話がありましたが、動画の投稿以外にもリアルタイムのインタラクティブ講習もされているのでしょうか?

大山氏:今でもアシスタントの方には週休3〜4日の人が多いので、アシスタントへの教育にはLINE WORKSを使ってリアルタイムでやっています。家にいるとどうしてもだらけてしまうので、「9時〜12時まではこの動画を見てください」とか「ライブ講習に参加してください」ということが多いです。

山川氏:続いてPEPの話になるのですが、「PEPはLINE WORKSのbotとは何が違うんですか?」という質問が来ています。

大山氏:作りやすさだと思います。本当は自分で作ろうかと思っていたのですが、僕でなくても作れるというところがPEPの良いところだと思います。

山川氏:補足すると、PEPの場合は入力された内容を自然言語処理で解釈して返信をしてくれたりとか、AIの活用の部分でLINE WORKSさんと分けて使える器用さがあるのかなと思っています。

あとは「店舗をまたいだスタッフの交流などはコロナ後も機会が設けられているものですか?」という質問です。

大山氏:実際の交流ですかね?これは自粛具合によっていろいろあると思います。自粛中にインスタライブでみたのが違う店舗の従業員が話し合っているとか、その様子がTwitterに上がったり、オンライン飲み会をしていたりという光景がかなり見受けられました。彼らなりに「そこまでリアルで会わなくてもよくない?」という感情が芽生えているのかもしれません。

ITリテラシーの差異を埋めるためには

山川氏:私が訊きたいと思ったのは、今回のコロナにおいてLINE WORKSの活用やPEPの活用などの話がありました。若手の人からは能動的にシャンプー動画をアップしているなかでアルテさんもいろんな年齢層の方がいると思うのですが、ITリテラシーの差はどう埋めていくのでしょうか?

大山氏:本社に関しては正直リテラシーに差があると思います。弊社も創業34年になるのでなかなかその差異を埋めるのは難しいと思うんですが、そこは僕の役割かなと思っています。今回ZOOMを使ったりYouTubeを観たりして、自然にリテラシーが上がったのではないかと思うので。ひとつのゴールに向かっていくことは難しいと思いますが、がんばります。

萩原氏:あえていうと、リテラシーの差があってもわりととっつきやすいのがLINE WORKSやPEPだったりするのかなと思っています。私どものお客様でも「パソコンが苦手なんです」というような方にご利用いただいているので。

山川氏:我々ITの会社なんですが、パソコンを使わずにスマホだけで仕事が完結できるレベルのことも多いですよね。今日はいろいろと事例をおうかがいできました。ありがとうございました。

イベントは満席で大盛況に終わった。これからの時代、コロナと共に歩まねばならない中、ITで工夫していけば新しい生活様式を獲得しやすくなるのではないだろうか。

 

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